【糖質制限でやせられる?】 穀物について知ろう
穀物とは元々「デンプン」を主体とする種子を指す言葉です。
デンプンは「グルコース(ブドウ糖)」という成分が鎖のように長く連なったもので、私たちが食べたデンプンは体内でグルコースに分解されて、体を動かすエネルギー源として使われています。
食物繊維
穀物には、白米や小麦など、種子の表面部分を取り除き精白したものと、玄米や全粒小麦などの精白していないものがあります。
精白して取り除いたものの中には「食物繊維」という人の消化酵素では消化できない成分が含まれています。
玄米や大麦入りご飯など、精白していない穀物を食事に取り入れることで、腸内での食物繊維の働きを期待することができます。
水溶性食物繊維
水に溶けるとネバネバするため、糖質や脂質を包み込むことで消化吸収を抑える働きがある。
不溶性食物繊維
水を吸収して体積を増やすため、腸を刺激して排便を促す働きがある。
糖質制限と筋肉
最近では、食事から主食を抜く「糖質制限」という言葉をよく聞くようになりました。
しかし主食である穀物に含まれるグルコースは、筋肉や脳を動かすエネルギー源として欠かせない成分であるため、適度な摂取が必要です。
食事から得たグルコースは、筋肉や肝臓の中でグルコースを繋げた「グリコーゲン」という形になって貯蔵されています。
肝臓のグリコーゲンは、必要に応じてグルコースに分解され、血液を介してエネルギーが必要な場所まで届けられて使われます。
しかし、グリコーゲンがない場合は、筋肉などを構成するたんぱく質を「アミノ酸」に分解し、アミノ酸をグルコースに変換することでエネルギー源を補うようになります。
このため、糖質制限によってグルコースが不足すると、筋肉の減少につながるのです。
また、穀物全般の摂取を控えてしまうと、穀物に含まれる食物繊維の摂取も控えてしまうことになるため、便秘や腸内環境の悪化の原因となり、むしろ肥満になりやすい体質になってしまいます。
1食ごとにお茶碗1杯程度の玄米ご飯や大麦入りご飯を食べるなど、食物繊維が豊富な穀物を摂取するほうが健康にはよいようです。
おまけ
主な穀物に含まれる食物繊維の量(g/100g)
穀物の種類 | 総食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 水溶性食物繊維 |
玄米 | 3 | 2.3 | 0.7 |
精白米 | 0.5 | 0.5 | 0 |
全粒小麦 | 14 | 8.9 | 1.8 |
薄力粉 | 2.5 | 1.3 | 1.2 |
トウモロコシ | 9 | 8.4 | 0.6 |
ライ麦 | 13.3 | 10.1 | 3.2 |
大麦(押し麦) | 12.2 | 5.5 | 4.3 |